相談事例

「円奏会という投資信託はどうですか?」という相談事例 2023.1月時点

こんにちは、たぱこです(^^♪

だいぶ前にゆうちょで「円奏会」という投資信託を購入したんですが、全然値上がりしないんです。これってどうなんでしょうか?

というご相談を受けました。

これはこれは・・・突っ込みどころ満載!?

たぱこなりの分析を書いてみたいと思います。

「円奏会」とは?

東京海上アセットマネジメントが運用する投資信託。

正式名称は「東京海上・円資産バランスファンド」(毎月決算型年1回決算型

国内の資産だけで運用する地味めの投信だが、安全志向の個人マネーを引き寄せて2019年9月時点では国内最大のバランスファンドに成長。

当時の一世風靡ぶりがこちらの日経新聞に掲載されています。

   国内最大のバランス型「円奏会」(話題の投信)

日経新聞 2019.9.26

記事によると、

2012年11月に設定されたこのファンドは、もともと「預貯金の代替」の運用商品として誕生した。主に取り込んだのは、ゆうちょ銀行の定額貯金の満期と個人向け国債の償還を迎えた安全志向の個人マネー。

コンセプトは「ありそうでなかった『守りながら増やす』ファンド」

そうしてゆうちょ以外の販売会社も増えて、残高が増え続けたという。

投資信託の中身

毎月決算型と年1回決算型がありますが、中身はほぼ同じです。

残高の多い毎月決算型の月次報告書はこちら。

中身は約70%が日本債券、日本株式が7.3%、日本REITが7.2%となっています。

そしてその債券の中身は多い順に「事業債」「地方債」「国債」となっています。

平均格付けはAA⁻。最終利回りは0.76%

このいかにも安全そうな債券がメインであることから、安定志向の銀行顧客が「これならば」と思い、預金→投資信託へのシフトが進んだのではないかと思われます。

銀行のお客様はお金を減らしたくないから銀行に置いているんです。運用したい方は証券会社へ行きます。そんなお客様の気持ちをうまくつかむことができたんですね。

今後の見通し

市場金利と債券価格の関係

毎月分配金型の設定来の基準価額と資産残高のグラフはこちら。

基準価額は水色。見事に右肩下がりです(泣)

2022年12月、日銀がイールドカーブコントロールで10年国債の許容範囲を0.25%から0.5%に変更しました。2023年1月4日現在で0.427%となっています。

世界の株価 2023.1.4より引用

債券は金利が上がると価格が下がります。ですので債券を多く含むこの投資信託は現在基準価格が下落方向にあります

世界の金利が上昇局面にあり、日本国債にも売り圧力がかかっていることから、しばらくは債券の価格が下落が続くでしょう。

債券価格が上向くのは、日本の金利が更に低い方向に向かう時、となります。

信託報酬と利回りの関係

この投資信託を保有している間にかかる信託報酬は0.924%

先ほどの債券から得られる最終利回りは0.76%とお伝えしました。

え!?利回りより手数料の方が高いの?

他に日本株式と日本REITも入っているので正確なことは言えませんが、うっすらとあまり儲からなそう・・・というのはお分かりいただけますか?

毎月分配型投資信託の罠

現在こちらの円奏会(毎月分配型)の11月の運用成績は1万口当たり、-27円となっています。内訳は

  • 日本債券の運用が-39円
  • 日本株式が+9円
  • 日本REITが+3円

なのに手数料の信託報酬が⁻7円引かれて、更に分配金を⁻30円出しています。

要は儲かっていないのに分配金を出している。自分が投資したお金がただ戻ってきているだけの「たこ足分配」なのです。その状態はこの11月だけでなく、長く続いているために、水色の基準価額は右肩下がりが続いているという見方になります。

2024年からの新しいNISAではこのような毎月分配型の投資信託は対象から除外される予定です。資産形成には向かない、ということになります。

毎月分配型の投資信託は長期投資にはNG!「毎月分配金型投資信託」について解説しました。金融庁が顧客本位でないと指摘しているような商品での運用はお勧めしません。...

まとめ

月次報告書から読み取れることを分析してきました。

結論、たぱこなら買いません!

こちらの投資信託は「つみたてNISA対象投資信託」ではありません。

つみたてNISA対象の投資信託とは

対象となる投資信託は長期・積立・分散投資に適した商品になるよう

  • 販売手数料が0円で信託報酬が低い商品
  • 頻繁に分配金が支払われない商品

などの法令上の条件が設けられています。

金融庁つみたてNISA早わかりガイドブックより

裏返して言えば、長期資産形成に適していない、ということではないでしょうか。

以前なら債券の割合が多いと価格下落を防ぐことができました。ですが、この1年は株・債券が一緒に下がっていますのでこのような中身の投資信託には難しい時代ですね。

こちらの投資信託を保有されている方、是非、見直しを検討してみてくださいね。

こちらのブログは個人の見解です。投資の判断は自己責任でお願いいたします。

※円奏会の資料はすべて2022.12の月次報告書から引用

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