保険

販売経験者から見た外貨建て保険の真実

たぱこ

こんにちは、たぱこです(^^♪

日経新聞にこんな記事がありました。

  外貨建て保険、運用実績開示へ

日経新聞 2021.11.12

「元本割れリスクの説明を十分に受けなかった」ということで苦情が絶えない、とあります。

外貨建て保険がどうして苦情が多いのか、商品としてどんなものなのか、たぱこの信託銀行での販売体験を交えながらお伝えしていきたいと思います。

外貨建て保険とは

外貨建保険とは、払い込んだ保険料が外貨で運用される保険商品です。原則として、保険料は米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で払い込み、保険金、解約返戻金などを原則として外貨で受け取ることができます。外貨建保険の種類としては、外貨建個人年金保険、外貨建終身保険、外貨建養老保険などがあります。

日本円で保険料は払い込むのだけれど、保険会社が外貨に換えて、外貨で運用します。

円建ての保険だと、主に国債で運用になります。

日本国債の金利は0.074%(10年国債、2021.11.16現在)

なかなか増やすのは難しい金利になっています。

外貨建て保険は日本円より比較的高いといわれる海外の金利で運用されるので、外貨建資産として円資産より成長することが期待できる、と商品開発されたものになります。

たぱこ

そう、外貨建て資産として円より成長できる、と理解していれば問題ありません。円資産として必ず成長できる、と勘違いしてしまう人が多いことに問題があります。

理解が難しいポイント

元本保証だと思った

変額保険でなければ、終身保険でも年金保険でも受け取る保険金は申し込み時に確定します、外貨で

申し込み時の為替レートで円→外貨に変換します。

この時の外貨額がいわゆる元本、のようなものになります。

例えば100万円のドル建て終身保険に加入するためには、まず、100万円をドルに交換します。

為替レートが1ドル=114円だったとすると(2021.11.16現在)約8,771ドルになります。

この8,771ドルに対して利回り〇%というような形で受取額が確定します。

ということは途中解約しなければ受け取り時に、この8,771ドルは下回らないことになります。

たぱこ

これが外貨建てで元本保証の意味になります

為替レートの影響を受けます

ですが保険金の受取額が例えば9,000ドルだった場合、その受け取り時に為替レートが1ドル=104円だったとします。

9,000ドル×104円=936,000円

あれっ!?払ったの100万円なのに936,000円に減ってる!

ドル建てでは8,771ドル→9,000ドルに増えているのに円に戻すとマイナスになっている!

外貨で運用するということは為替レートの影響が大きい、ということなのです。

「外貨では元本保証だけど、円では元本保証でない」これを理解せずに保険を購入した方から苦情が絶えない、ということなのでしょう。

為替レートは過去20年では100円から120円の間で推移していますので(東日本大震災時は75円)上記のような1ドル=114円→104円は十分に可能性としてあり得ます。

市場価格調整

外貨建て保険の中には市場価格調整という仕組みを持った商品があります。

市場価格調整では、解約した場合に戻ってくるお金(解約返戻金)が、市場金利の変動によって増えたり減ったりします。

途中解約する時にこれは適用されます。

たぱこ

これ説明しようと思ったけど、難しすぎるのでこれくらいで・・・

金融機関が外貨建て保険を販売したい理由

以上のような理解が難しいポイントを3つお客様に理解していただき、ようやく外貨建て保険が販売できます。

たぱこも信託銀行で外貨建ての保険を販売してきました。

この説明をぱーっと1時間くらいで行います。

理解できると思います?

たぱこ

正直、販売する方も理解するのが大変でした。保険会社の担当に何度もレクチャーを受けて。お客様への説明をいろいろ工夫しましたが、本当にわかっている人はどれだけいたのか・・・

外貨建ての保険は販売手数料が高い

販売会社は外貨建ての保険の方が円建ての保険よりも保険会社からもらえる手数料が高い

だから金融機関や保険の窓口などでは外貨建て保険をしきりに勧めます。

円建てと外貨建ての二つのプランを用意して

外貨建ての方が増えますよー

このように言われてよくわからず契約してしまった方、多いのではないでしょうか?

保険会社は為替手数料でも儲かる

保険会社は保険料を円で払ってもらい、外貨に換えます。

この時に為替手数料が通常の公示為替レートにのります。

公示為替レートとはテレビのニュースなどで伝えられる、あれ、です。

海外旅行に行くときに、空港でドルで両替する時に同じように為替手数料がのっていて、思ったほどの金額に両替されなかったことありませんか?

同じように保険会社で円→ドルに交換する時も手数料がのります。

つまり保険会社は保険そのものだけでなく、為替手数料でも利益を得ることができます。

だけどリスクは契約者が負う

  • 為替が変動するリスク
  • 市場金利が変動するリスク(前項の市場価格調整機能)

受け取り保険料や解約返戻金についての上記リスクは契約者に説明しました、ということでリスクは契約者が負うことになります

これらのリスクが保険金が減る方に働いてしまった時にとんでもない損失を受けることがあるのです。

外貨建て保険ってそんなに増えるの?

複雑な商品内容で、為替や債券金利の影響もうけて、それでどのくらい増やせる可能性があるの?

っていうのが正直な疑問ですよね?

難しくったって、リスクがあったって、増える可能性が高いならやってみる価値はあるかもしれないですね。

利回りは申し込み時の市場金利にもよりますが、おおむね年1~2パーセントくらいの利回り。

2019年のトランプ大統領の時に私は年2.5%くらいの利回りのものを販売していました。

今はコロナの影響で世界的に低金利なのでもっと低い金利なのではと思います。

全世界株式の過去30年間の年平均利回りは5%を超えていますから外貨建て保険はめちゃくちゃ金利が高いってわけではありません。

たぱこ

株式は値動きが大きいとわかってやるものなので、資産の増減はある程度予測がつきます。外貨建て保険の問題点はリスクが低くて元本保証だと思って契約するところです。予期せず資産が減ったりすることに驚いてしまうのです。

まとめ

実は外貨建て保険でうまく資産を増やせた人もたくさんいます。

日本特有の現象で、うまくいってることはあまり取り上げられないけれど、苦情や避難はやたらとクローズアップされてとりあげられるということですね。

外貨建て保険での成功パターンは

  • 円高の時に契約→解約時に円安
  • 金利の高い時に契約
  • 契約した時に市場金利が高い→解約時に市場金利が契約時よりも低くなる
たぱこ

今は円安が進んでいます。そしてコロナ後の金融緩和で市場金利が低い状態です。なんとなく利上げの方向に向きつつあります。つまり、外貨建て保険は契約する時期ではありません(2021.11.17現在)

ですが、やっぱり

たぱこ

たぱこは外貨建て保険はお勧めしません!

苦労の割にはリターンの小さい商品だと思うからです。

販売する方は儲かるけど、リスクは契約者なんて割にあわない!

外貨建て保険は「増やせますよー」がキーワードなので、万が一に備える保険というよりは資産運用に近い商品になります。

  • たぱこなら運用は違うやり方を選びます
  • 万が一に備えるなら円の保険で十分(保険機能と運用機能を一緒にすべきではないと考えています)

たぱこと同じように金融庁も考えるからこそ、「共通指標の導入を求める」なんて冒頭の記事になるのではないでしょうか?

外貨保険はお勧めしませんが、資産の一部を外貨で持つことはありだと考えます↓

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