こんにちは、たぱこです(^^♪
こんな記事を見つけました!外貨預金の金利が上がっているそうです。これってどうですか?
日経新聞 2022.9.6
「新生銀行の外貨定期預金残高は半年で6割超越え、ソニー銀行では1ヵ月間の新たな預入額が半年前から8割超増えた」
この記事のポイントは
- 外貨定期預金を開設する動きが活発になっている
- 海外の利上げで外貨預金金利が上昇していることが背景
- 金利差拡大で円安が続くとの見通しを持つ個人が多い
結論からいうと
たぱこは外貨預金はやりません。
その理由をお伝えします。
外貨預金の仕組み
100万円を米ドル年3%の定期預金に預けた場合のシュミレーションです。
預けたドルに3%の利息がつくので、ドルベースでは確実に増えます①<③
ですが、定期預金が満期になった時に預けた時よりも
- 円高になっていると円ベースではマイナスになる可能性があります
- 円安になっているとかなり増えます
とにかくものすごく為替の影響を受けます
為替が円高になれば一撃でマイナス
過去10年の米ドル/円の為替レートの動きです。
下は80円から上は直近の143円まで幅広く動いています。
特にこの1年で111円→143円となっています。
これを割合にすると1年で約29%も円安に振れています。
もし、反対の動きが1年後に起こったらどうでしょう?
米ドルで増えるのはたった3%なのに、為替で29%も円高に動いたら、一撃でマイナスが確定してしまいます。
現在はインフレを抑えるために米国の中央銀行は金利を上げる方向の政策をとっています。
そのため、市場のお金が金利の低い円から米ドルに流れて円安が加速している状況です。
つまり金利だけの要因で考えると為替は
米国の金利上昇=円安
米国の金利下落=円高
(米国の金利上昇と円高、金利下落と円安は起こりづらい)
たぱこが恐れるのはこの後、インフレが収まったものの、金利上昇により資金調達がしづらくなり、景気が減速すること。今はまだ失業率などが低いのでインフレ退治が優先で利上げの政策がとられています。ですが景気が悪くなった場合、金利を下げることになり今度は円高の方向に逆回転する可能性があります。
為替は金利だけで動くものでもないので予測は本当に困難です。今は円安が行き過ぎていると少し感じるので、たぱこはまとめて外貨を購入する勇気がありません。動きのわからないものを買うのは投資ではなく、賭けのように感じてしまいます。
為替手数料が高い
こちらの日経新聞の記事に出ていた銀行はネット銀行や新しい銀行が多く、調べて見たら意外とマシでした!
ですが都市銀行の窓口はまだまだ為替手数料が高いので要注意です。
新生銀行 | 15銭(キャンペーン期間は7銭) |
ソニー銀行 | 15銭 |
三菱UFJ銀行 | 窓口だと1円、インターネットバンキングだと25銭 |
三井住友銀行 | 窓口だと1円、インターネットバンキングだと50銭 |
例えば100万円を米ドルに交換するとき現在の為替レートを140円とすると
- ソニー銀行だと7,135.21ドル
- 三井住友銀行窓口だと7,092,20ドル
金利よりも、為替手数料の方がよっぽど大事ですね(笑)
この手数料がドルにする時と、円に戻す時の往復でかかります。
円に戻す時はこの手数料でマイナスにならないよう、為替レートに気を付けなくてはなりません。
外貨預金の為替差益は原則として確定申告が必要
外貨預金については、利息と為替差益について税金がかかります。
1.利息
外貨預金で受取る利息は、円定期と同じように利子所得として、所得税+住民税(地方税)20.315%が課税されます。ですが、課税方式は源泉分離課税となりますので、原則として確定申告は不要です。
2.為替差益
外貨預金で為替差益(外国為替相場の変動が元で発生する損益)が発生した場合、雑所得として所得税+住民税(地方税)が課税されます。また、課税方式は総合課税となるため、原則として確定申告が必要。所得税率は所得により異なります。
ただし下記の場合は所得税の申告は不要
- 年収2,000万円以下の会社員で給与を1カ所から受けていて、かつ、給与のすべてが源泉徴収の対象となる場合において、給与所得・退職所得以外の所得(FX取引で得た利益を含む)の合計額が20万円以下の場合
- 自営業者やフリーランス、無職などで、年間の所得の合計額が48万円以下(基礎控除額)の場合
ただし、いずれの場合も住民税(地方税)の申告は必要となります。
大きい金額の定期預金の場合は確定申告が必要になるほど利益が出る可能性があります。利益がでるのは嬉しいけれど、確定申告をすること、忘れずに。
投資を始める時は出口で税金がどのようなことになっているか知っておくことも必要ですね。
外貨預金は預金保険の対象外
円預金は万が一、金融機関が破綻しても、預金保険の対象です。
預金等の保護の範囲
利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含みます)、金融債(保護預り専用商品に限ります)などは、1金融機関ごとに合算して、預金者1人当たり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます
ですが、外貨預金は残念ながら預金保険の対象ではありません。
つみたてNISAで全世界株式を持っていれば、その評価額の95%を外貨で持っているのと同じ
たぱこはつみたてNISAで外国株式の投資信託を積立購入しています。
例えばeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)などのインデックスファンドに投資している人はその評価額の95%を外貨で持っているのと同じです。(5%は日本株式の為)
だから既に外貨の資産を保有しているわけですね。
「外貨定期の金利がいいから外貨預金やらないと!」とならないわけです。
それに全世界株式の過去30年の成長率は平均年利5~7%。
ドルコスト平均法で時間分散しているし、同じ外貨なら3%の金利よりも世界経済の成長の方を私は期待したいと思っています。(ドルコスト平均法については下記リンクからどうぞ!)
たぱこは資産を外貨でもつことはアリだと考えます。
まさに今のように円の価値が下がってしまった時に資産を通貨分散しておくと資産の目減りを防ぐことができますね。
詳しくはこちら↓
まとめ
たぱこが外貨定期預金を購入しない理由を書いてきました。
金利が大好きな日本人にとって米ドル定期預金の金利が高くなることは、金融機関が外貨預金を売るチャンス!到来です。
今、米ドル定期預金は3%もつきますよ。円の定期だと0.001%しか増えないです。お金を寝かせておくのもったいないです。今がチャンスですよ!!
こんな窓口トークが目に浮かびます。
なぜなら銀行にいた時、そのように私がセールスしていたから。
お客様は「外貨預金」預金とつくのでなんだかリスクが低そうに思えるんですね。
だから勧められるとつい、なんてことになってセールスマンの思うつぼです💦
もちろん為替が今の水準のままであったり、もっと円安になればお金を増やすことはできます。
今後の為替の動きは誰にも予想はつきませんが、為替リスクは株式並みに大きい、ということを是非知っておいてほしいところです。
それでもやっぱり少し購入してみたいと思ったら、時間分散してください。たぱこはとにかく一度に大金を入れることが怖くてたまりません。損失が出た時に、ただ待つしかできないから。その辛さともどかしさを抱えるお客様の声を聞いてきた経験から皆様にそうお話しています。
おまけ
今回は主に米ドル定期預金について書いてきました。
外貨預金には他にも豪ドルや新興国(ブラジルレアル、トルコリラ、南アフリカランド)などもあります。
豪ドル定期預金
オーストラリアは資源国であり、政治も安定しているので日本人は大好きです。
ですが豪ドルへの為替手数料は一般的に見て米ドルよりも割高。
そして、もし損失が出た場合、豪ドルは外貨預金以外運用先があまりないのが弱点です。
こういった点からも豪ドル定期預金もあまりお勧めできません。
新興国通貨の定期預金
新興国の通貨は長期では価値が落ちる方向にあります。
金利がいくら高くてもそれ以上に通貨の価値が落ちる可能性があるのでこちらもお勧めできません。
※こちらのブログは個人の見解になります。投資は自己責任でお願いいたします