こんにちは、たぱこです(^^♪
NISAの講座をやっていると、「指数」とか「インデックス」という言葉がでてきます。
ですが、NISAの講座は内容がモリモリなのでこれ以上皆さんが混乱しないよう、サラッと説明して終わっています。
だけど、本当はもっとちゃんと説明したかったの・・・
そもそもですが、指数=インデックスという意味です。
今回はNISAで採用されている株価指数を中心に解説していきたいと思います。
株価指数って?
株価指数とは株式相場全体の状況を示すために、個々の株価を一定の計算方法で総合し、数値化したもの
市場全体の動向の把握、景気動向の指標として活用されています。
この数値によって経済の温度感がわかります
日本の代表的な株価指数には
- 日経225(日経平均株価)
- TOPIX(東証株価指数)
世界株式の指数には
- MSCI オールカントリー・ワールド・インデックス(全世界株式)
- S&P500(米株式)
- ダウ工業株30種(ニューヨーク・ダウ)
などがあります。
難しそうな言葉ばかりで、もう、嫌になってきました💦
いやいや、これからですよ(笑)がんばってもう少し読んでくださいね。
代表的な指数を1つずつ解説します!
日経平均株価(日経225)
日経平均株価とは、日本経済新聞社が発表する株価指数のことで、旧東証一部上場銘柄のうち、代表的な225銘柄をもとに計算されています。日本の株式市場の大きな動きを把握する代表的な指標として用いられ、投資信託や先物取引などの商品にも利用されています。
単位は円。
銘柄を選んでいるのが日本経済新聞社。国や証券取引所ではないんです。これ、私も投資の勉強をしてから知りました。
テレビのニュースの最後に「今日の日経株価は…」って言いますよね。これは日経平均株価が上昇すればなんとなく景気がいい、下がれば景気が悪い、そういった日本経済の温度感を示すために使われています
TOPIX(東証株価指数)
TOPIXは「Tokyo Stock Price Index」の略で、東証株価指数とも称されます。 東証プライム市場に上場している銘柄を広く網羅し、一定の計算方法によって指数化されています。 TOPIXは基準日(1968年1月4日)の時価総額を100ポイントとしたとき、現在の時価総額が何ポイントにあたるかを表します。
TOPIXの値動きを見ることで、日本の株全体の動きを把握でき、1968年以降の日本の経済状況がどのように動いているのかを知ることができます。
単位はポイント。
約2,200銘柄をJPX総研(東京証券取引所)が算出。
日経225より銘柄数が多いのでたくさんの銘柄に分散したい方はこちらを選ぶといいですね。
MSCI オールカントリー・ワールドインデックス
世界的な米国の指数算出会社のMSCI社が算出・公表している外国株式インデックス。
国内外において、グローバル投資の際のベンチマークとして最も有名。
対象は先進国24か国、新興国(エマージング)21か国、フロンティア国25か国の約70か国、約2900銘柄が組み入れられている(2023.1現在)
世界の株式市場時価総額の約85%をカバーしています。
NISA(つみたて投資枠)で採用されている投資信託「eMAXIS Slim全世界株式」に採用されているのがこの指数。
これ1本で世界丸ごとに投資できますー
FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス
英FTSE社が公表・算出している外国株式インデックス。
先進国から新興国まで全世界の株式市場の動きを表している株価指数で、大型株から小型株まで約9500銘柄が組み入れられています。
世界の株式市場時価総額の約98%をカバーしています。
NISA(つみたて投資枠)で採用されている投資信託「楽天・全世界株式インデックスファンド」「SBI・V・全世界株式インデックスファンド」がこちらの指数を採用しています。
前項のMSCIオールカントリーと比べて、銘柄数が多いので「中小型株も含めて投資したい」という方はこちらを選ぶといいでしょう。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ニューヨーク・ダウ)
米国の各業種の代表的な30銘柄により構成され、構成銘柄はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社により選出。
主な選定基準。
- 成長性や知名度が高い企業
- 米国で設立され、米国に本社を置く企業
- 売上高の大半を米国内で生み出す企業
構成銘柄の30銘柄は時代の流れに合わせて入れ替えが行われ、その時代に米国をけん引する企業で構成されています。
単位はドル。
NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託ではアクティブ型に分類されています。対象の投資信託は「iFree NYダウ・インデックス」
NYダウって毎日ニュースで聞く一番有名な株価指数だけど、NISAで採用されている投資信託の本数は少ないですね。構成銘柄数が30銘柄と少ないので、アクティブファンド扱いになるようです。
S&P500
正式名称を「Standard & Poor’s 500 Stock Index(S&P500種株価指数)」といい、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表しています。米国の主要業種の主要企業をカバーすることを目的としており、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している企業から、市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれた約500銘柄を時価総額で加重平均し、指数化したものです。2022年4月末時点では、米国株式時価総額の約87%をカバーしています。
単位はポイント。
NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託では「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」「楽天・S&P500インデックス・ファンド」などがこちらの指数を採用しています。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス
CRSPとは、Center for Research in Security Prices(シカゴ大学証券価格調査センター)の略称で、ここで開発されたインデックス(指数)の一つ。
米国株式市場の大型株から小型株まで投資可能な銘柄のほぼ100%となる約4,000銘柄で構成。
米国の有名な「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」がこちらの指数に連動して作られています。
NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」はこの「バンガード・トータル・ストックマーケットETF」を通じてこの指数に連動する成果を目指しています。
S&P500と比べると銘柄数が多いので、「中小型株にも投資したい」方はこちらを選ぶとよいでしょう。
MSCI コクサイ・インデックス
これもまたMSCI社の算出する指数。日本を除く先進国の株価動向を示す代表的なインデックスです。日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株を構成銘柄の対象としており、時価総額でみて市場の約85%をカバーしています。
日本を除いた先進国へ投資したい人が選ぶ指数になります。
NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託では「購入・換金手数料なし ニッセイ外国株式インデックスファンド」「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などがこちらの指数を採用しています。
MSCIエマージング・マーケット・インデックス
これもMSCI社の算出する指数。全世界の新興国(エマージング)市場をカバーしている最も代表的な株価指数です。新興国27ヵ国の大型株と中型株を対象として、約1300銘柄で構成されています(2022.8現在)
NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託では「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」「<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド」などがこちらの指数を採用しています。
皆さんの投資している指数や投資信託はありましたか?こうして見ると、指数を算出している会社って同じ名前が何回もでてきますよね。指数の種類を知ると、投資信託を選ぶときに選択の幅はそんなにないことがわかります。
指数、ここがすごい!
これらの指数に採用する銘柄や金額の比率割合などは一定の決まりがあって、それを元に定期的に銘柄の入れ替えや見直しが行われています。
条件を満たすことのできない業績の落ちた銘柄はその指数から組み入れを外され、逆に業績を伸ばし、条件を満たすことができるようになった銘柄は新しく採用されます。
例えばアメリカの代表的な指数「S&P500」は
- 浮動株比率が最低50%以上(浮動株とは発行されている株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式のこと)
- 時価総額が146億ドル以上
- 4期連続黒字でないといけない
- 3ヵ月に一度採用銘柄が見直しされる
- 米国企業であること
なかなか条件が厳しいですよね。(2022年5月時点)
つまり、この指数に採用されている企業はきちんと利益を上げ続けている優秀な会社たち、ということになります。
3ヵ月に1度見直されるので、中身はいつもフレッシュ!
この厳しい基準で銘柄を入れ替え、また、米国は株価が企業の業績をきちんと反映するような法整備の整っているので、S&P500は過去40年間でこんな素晴らしい右肩上がりのチャートになっています。
逆に、日本のTOPIXや日経225は下記のように右肩あがりになってないですね。その理由として
- 採用基準が甘い
- ゾンビ企業が多い
なんていう風にも言われています。
東京証券取引所は右肩上がりの指数を作りたくて「プライム」「スタンダード」「グロース」などと市場再編してみた、という話もあります。今後、日本企業でS&P500のような右肩上がりの指数ができることを期待したいです。
インデックスファンドとアクティブファンド
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは株価指数などの指標に連動した運用を目指す投資信託。通常、ファンドの運用対象は目標となる株価指数に採用されているのとほぼ同じ銘柄群で構成され、組み入れ比率も指数への影響度に応じた割合となります。
つまりインデックスファンドというのは前項であげた指数と同じ動きをする投資信託、ということです。
その投資信託ごとにどの指数に合わせて作られているか決まっています。
どの指数と同じ動きになるように作られているかは
- 運用方針
- ベンチマーク
と書かれているところを見てみてください。
この「SBI・V・S&P500インデックスファンド」はS&P500と同じ動きをするように作られている、ということですね。
投資信託が指数を使う場合は指数算出会社に利用料を払います。
ですが、運用会社は自分で個々の企業の分析や目利きをしなくていいので、私たちの払う「信託報酬」(手数料)が安めになります。
アクティブファンドとは
アクティブファンドとは運用会社やファンドマネージャーが独自の見通しや投資判断に基づいて、目標とする指数以上の収益を目指すファンドのこと。
アクティブファンドに組み込まれる銘柄は、運用責任者のファンドマネージャーが独自にデータを分析して、見込みのある銘柄を選定します。運用成績はその目利き次第、ということになります。
企業分析を独自に運用会社が行うので、人件費がかかります。ですから、アクティブファンドはインデックスファンドよりも「信託報酬」と呼ばれる手数料が高めになります。
アクティブファンドは手数料が高いからよくないんですよね?
という質問がよくあります。
手数料が高くてもそれ以上によい運用成績を出せているのならば、高くても構わないですね。
高いことが悪いのではなく、手数料が高いのに運用成績が悪いことが問題なのです。そこのところは、保有するうえでよく確認してみてください。
インデックスファンドは指数算出企業が銘柄を選んでます
↑つまり、結局こういうことなんです。
指数だって、結局誰かが作っています。
その誰かっていうのは、既に書いたように各指数算出会社になります。
長期で上昇していく指数というのは、その指数を作っている会社が組み入れ銘柄を選ぶ目利きがよかったから、ということです。
結局インデックスファンドでもアクティブファンドでも、株式を組み入れて作ります。
それが、各運用会社のファンドマネージャーなのか、指数算出会社なのか、ということだけなんですね。
NISA(つみたて投資枠)ではインデックスファンドを多く採用
NISA(つみたて投資枠)では金融庁が投資初心者のために、手数料が低くて、長期資産形成に適した投資信託を選んでくれています。
投資初心者の方はまずは「つみたて投資枠」対象の投資信託から選ぶといいですね。
このような長期で資産形成できるような投資信託の基準を明確にしたら、それを満たすのはインデックス型ばかりだった、というわけです。
日本のアクティブ投資信託のほとんどが長期資産形成に向かないという残念な事実です。
金融機関の窓口で勧められるアクティブ型の投資信託は、販売手数料や信託報酬が高いものが多いです。それは金融機関が儲かるからです。更に頻繁に売り買いを勧めて回転売買させます。そういうやり方では長期で資産形成にならない。
この悪しき風習から正しい資産形成へ促すために、金融庁が厳しい条件を設定してくれました。
積立王子と呼ばれる、セゾン投信CEO中野晴啓さんの記事
但し、アクティブ投信が全部だめ、というわけではありません。長期資産形成に適していると金融庁に認められたもの51本がつみたて投資枠対象となっています。(2024.8.23現在)
金融庁NISA(つみたて投資枠)対象の投資信託はこちら。
アクティブ型の投資信託とインデックス型投資信託、どちらが成績がいい?
運用の世界ではよく知られた事実なのですが、実はアクティブファンドよりインデックスファンドの方がよい運用成績を出していることの方が多いです。
アクティブファンドはファンドマネージャーがプロの目利きで企業分析をして銘柄を選んだり、最近では市場の動きを予測してAIを使って銘柄を自動売買します、といった具合によい運用結果が出せるよう、色々工夫しています。
単純に考えると「プロの目利きだから信用できそう」と思うものですが、残念ながら過去の実績ではこういった投資信託よりも、指数に合わせて作った投資信託の方が良い結果を出せています。
なんと、日本では約6割、アメリカでは7割ものアクティブファンドがインデックスファンドに負けているのです。
まとめ
指数とインデックスファンドの関係、お分かりいただけましたか?
- 過去の実績では指数算出会社の銘柄組み入れがうまくいっている。
- 金融庁の選んだNISAつみたて投資枠対象銘柄にそれら指数に連動する投資信託が多く採用されている
- その中で自分が成長すると思う指数に連動した投資信託を定期的に10年以上の時間をかけてコツコツと時間分散して投資していく。
投資についての名著でもこのように書かれています。こちらもご参考に。
プロのファンド・マネージャーが運用する投資信託に投資するよりも、ただインデックスファンドを買ってじっと持っている方が遥かによい結果を生む。
「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール)より引用
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