保険

本当に得?「米ドル建てリタイアメントインカム」という保険はどうですか?という相談事例

こんにちは、たぱこです(^^♪

米ドル建てのリタイアメントインカムという保険が生きている間ずっと終身で年金がもらえると聞きました。NISAでの投資とどちらがいいのでしょうか?

というご相談を受けました。

こちらの保険についてたぱこの考えを書いてみたいと思います。

米ドル建てリタイアメントインカムという保険とは

ジブラルタ生命の「米国ドル建リタイアメント・インカム米国ドル建年金支払型特殊養老保険〔無配当〕」

この保険商品を事例にまずは内容を説明します。

左側の全期払いタイプの方の説明をします。

30歳から65歳までの35年に渡って、保険料を払い続けます。

その支払い保険料総額は73,500米ドル。

65歳になり、その時に一括で受け取ると98,916ドルで、支払額に対して134.5%で受け取ることができます。

これを一括ではなく、20年の確定年金で分割して受け取ると、年6,000ドル、総額120,000ドルとなります。(約163.2%)

右側の短期払いのタイプは保険料支払い期間が5年と短いです。

短期間で払うと、保険料の支払総額が全期払いよりも少なくできるため、20年の確定年金受け取り率も166.8%と上がることがメリットです。

ただし、この場合の数字はすべて米ドル建てとなっています。日本円で保険料を支払う時、年金を受け取る時は為替レートの影響を受けますので、注意が必要です。

また、この商品は基本、保険なので、死亡保障期間があります。

この期間はこの事例で言うと、いつ亡くなっても50,000米ドルを受け取ることができます。

終身で受け取る特約をつけるとコスパはどうか?

この3の事例です。

受け取り保証期間を10年に設定して、終身で一生受け取り続けるという方法。

この場合、10年以内に亡くなってしまっても、遺族が4,240米ドル×残りの年数は受け取ることができます。

ですが、4,240ドル×10年としても42,400ドルなので、払った保険料よりもだいぶ受取額は減ってしまいます。

長生きした場合は年間4,240米ドルを一生涯受け取ることができます。

この時のコスパはどうでしょうか?

払った保険料は73,500米ドル。

73,500米ドル÷4,240米ドル=17.3….

約18年以上受け取ることができれば、元がとれる計算になります。

この事例だと65歳から受け取りなので、82歳より長生きすれば得!ですね。

保険はコスパではなく、長生きリスクに備えるもの。そして、誰しもどれだけ長生きするかはわかりません。ここは皆さんそれぞれの考え方になるかと思います

生きている間は一生涯年金が受け取れるため、長生きリスクに対応できる一方、確定年金に比べて受け取る年額が少なくなります。

保険会社にとっては長生きされてしまうのがリスク、だからです。

保険金の受取税制を考える

この保険は基本自分で加入し、自分で使う、という意味で使うもの。

その場合、年金で保険金を受け取ると所得税「雑所得」+住民税がかかります。

この場合は受け取る年金額全額が雑所得になるのではなく、払った保険料に対して、増えた分についてだけ雑所得になります。

この計算は毎年年金を受け取るようになると、保険会社からハガキが送られてきますので、それに基づいて確定申告となります。

自分の公的年金以外に雑所得がプラスされると、所得税、住民税はもちろんのこと、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料の算定に影響を及ぼす可能性があります。

加入する時は出口戦略まで検討することが必要ですね

ちなみにNISAでの投資については分離課税です。利益について税金は非課税ですし、国民健康保険料や介護保険料などの算定には影響がありません。

その他にこの保険でかかる費用

為替手数料

この保険は米ドル建てですので、

  • 保険料を払う時には「円→ドル」
  • 年金を受け取る時には「ドル→円」

にする必要があります。

この時に、公示為替レートに0.5円の為替手数料がかかります。

ちなみに現在、SBIや楽天証券では米ドル/円のリアルタイム為替手数料は0円です。

年金受け取り中にかかる手数料

年金開始日以後、受取年金額に対して1.0%(*1)を年金支払日の積立金から控除します。
なお、主契約の年金月額は費用控除後の金額となっています

パンフレットの事例金額はこの費用控除後の金額になっている、とはいうものの、保険は知らぬ間に手数料がかかる…ということを知っておくことも大事です。

まとめ

この保険の内容、ご理解いただけましたでしょうか?

米ドル建てリタイアメントインカム保険は、安定収入を約束する一方で、

  • 為替リスク
  • 手数料
  • 老後の税金や社会保険料

の影響があります。

そしてなんといっても、保険は契約。保険料払い込み期間中に解約すると解約控除がかかり、元本棄損の可能性があります。長期間にわたり、保険料を払い続けなくてはならないという拘束リスク、をよくご検討ください。

老後の収入への対策としては、このような保険以外にNISAを活用した積立投資、配当受け取りを目的としたETFなどのやシンプルな運用方法も選択肢です。

自分に合った選択をするためには、目的やリスク許容度を総合的に考えることが重要です。

是非、プロの力を活用してくださいね。

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販売経験者から見た「一時払い外貨建て保険」の真実外貨建て保険の商品性、リスクなどについて、たぱこの販売経験も交えて書きました。...